ニライカナイ 〜川井豊子の詩の記憶の森

ニライカナイ 〜川井豊子の詩の記憶の森
漲る

 

水よ おまえはすきとおる

水よ おまえはみなぎっている

あふれてゆくかたちのない形

とうめいな充実

そのなかで

たわむれ滲む

青く緑であろうとする いろの交錯

藻や魚 貝などの

生きてあろうとするもののまどろむ匂いの帯

そして目に見えない

微生物のそれは

さらにかそけく

水そのものに近づいて

水よ 流れるおまえを迸らせたもの

地を切るすべらかな刃のように

海へとそそぎこむ

その色もなく

すくう手のひらからこぼれ滴る

形のみなぎり

 

 

 

 

| 既刊詩集『水車のめぐる家で』 | 21:41 | - | -