ニライカナイ 〜川井豊子の詩の記憶の森

ニライカナイ 〜川井豊子の詩の記憶の森
心ののふりこ

眠れない夜の

揺れるふりこの球を

中心にストーンと 落とす

余分な力を抜いて

ふりこの元の重さだけに 戻して

真下に落とす

 

すると

こころは軽くなるだろうか

いつもの安らかな眠りが

後頭部から 足と手の先のほうから

体をつつみ込んでゆくだろうか

こころを窮屈にさせる わずらわしいことは忘れて

忘れることも わすれ去って

 

揺れるふりこの 小刻みな音が

ふと押し黙り

こころの空腹だけに充たされた揺り籠が

こんどはもっと大きな振幅で

宙の壁をふるわせながら

夜全体に波打ち返した

 

 

 

 

 

 

| 既刊詩集『水車のめぐる家で』 | 15:31 | - | trackbacks(0)