ニライカナイ 〜川井豊子の詩の記憶の森

ニライカナイ 〜川井豊子の詩の記憶の森
桜色したトンネル

桜色したトンネルを

わたしたちは駆け抜ける

ペダルを踏んで

春風のマントをひらりと纏う

透くほどに淡く 咲きこぼれた

桜たちが笑いさざめく

池に水鳥は波紋のワルツ

桜並木のそばで土手道

タンポポの水玉入りのジャケットを

さっぱりと着込むころ

| 既刊詩集『水車のめぐる家で』 | 14:31 | - | -