ニライカナイ 〜川井豊子の詩の記憶の森

ニライカナイ 〜川井豊子の詩の記憶の森
微笑

眠るように

その人は逝ったので

いつまでも

眠ったままだ と思うこともできた

眠るように その人は逝ったから

その顔には

微笑が浮かんでいた

閉じた瞼の奥で

わたしたちには知ることのできない

何かを見つめつづけている

波立てる 風ひとつない

そんな うち静まった面差し

 

(祖母は

 どんな空を見たのか)

 

 

| 既刊詩集『朔太郎の耳』 | 12:28 | - | trackbacks(0)