ニライカナイ 〜川井豊子の詩の記憶の森

ニライカナイ 〜川井豊子の詩の記憶の森
DIAMOND DUST

それを

見たことがあると思った

眠れる冬の大地に

ガラスの粉のように舞ってゆく

白いまたたき

空に放られた光の粒たち

 

それをいつか 見たいと思った

寝静まった夜の

まぶたを閉じる すると

遥かに大気は凍みてゆき

――びん――と時がひび割れる

柔らかな夜の綿毛に

氷の炎が浮かび立つ

 

それをあの北の地での日々

幼い眼に たとえ映したとしても

映さなかったとしても

 

DAIAMONDO DUST

どんな遠い記憶の谷で

それを夢に描いただろう

 

 

| 既刊詩集『朔太郎の耳』 | 14:59 | - | trackbacks(0)